刊行物のご案内

第81巻 第1号
電力系統用パワーエレクトロニクス設備の設計・保全ガイドライン
全文を見る
 電力系統用パワーエレクトロニクス設備は,1990年代~2000年前後に設置された設備が多く,導入から30年を超過するものが出てきており,高経年化が進んでいる。2001年に電気協同研究 第57巻 第2号「電力系統用パワーエレクトロニクス設備の現状と設計・保守基準」において,事故・障害実績等を調査して以降,20年程度経過していることから,最新の事故・障害実績データや劣化調査状況等を踏まえて,設備更新も含めた適切な保全計画を立案する必要があり,高経年化が想定される電力系統用パワーエレクトロニクス設備の保全等ガイドラインの作成が求められている。
 また,東日本大震災以降,各種の系統連系容量の増強が行われており,2019年には新北海道本州間連系設備(以下,新北本HVDCと略す)において,日本に初めて自励変換器が採用されるなど,自励変換器による電力系統用パワーエレクトロニクスの適用拡大が見込まれることから,自励変換器を含めた最新の電力系統用パワーエレクトロニクス設備の技術動向についても関心が高まっている状況にある。
 既存設備の現況としては,サイリスタバルブと制御保護装置の想定期待寿命が相違していることを踏まえ,サイリスタバルブなどの主回路は更新せず,制御保護装置のみの更新工事が実施されている状況にあり,ライフサイクルコストの最適化を指向した対応が進められる中,今後の同種工事における考慮事項を広く認知・共有する必要がある。
 以上の情勢を踏まえ,2021年10月に「電力系統用パワーエレクトロニクス設備の保全ガイドライン専門委員会」を設立し,パワーエレクトロニクス設備の各構成機器の専門チームにより,下記について取り纏めを行った。本書がパワーエレクトロニクス設備の計画,設計,開発,製作,運用,保守に従事される若手層から熟練層まで幅広い技術者の皆様の業務に資する技術バイブルとして活用されることを切に期待する。

【主な記載内容】
 自励変換器他の最新技術を含めた技術変遷の調査
自励変換器を含む国内外の電力系統用パワーエレクトロニクス設備の技術変遷調査結果から,設計ポイントや技術ノウハウについて取り纏めた。
 電力系統用パワーエレクトロニクス設備の保全実態調査
使用者を対象とした新北本HVDCを含む国内の電力系統用パワーエレクトロニクス設備の設備実態および事故・障害実績の調査結果から,事故や故障の発生状況,ならびに現状の保全方法や設備対策等を取り纏めた。
 制御保護装置更新時の課題調査・必要な設計事項等の検討
使用者および製造者を対象とした周波数変換設備等の制御保護装置のみを更新する場合の課題調査結果から,今後の同種工事に反映すべきポイントなどを整理し,あわせて,仕様統一の必要性や新信濃,佐久間,東清水の3FC仕様統一について取り纏めた。
 保全ガイドラインの策定
使用者および製造者を対象とした点検・補修実態や運転・障害実績等の調査結果から,制御保護装置の更新に合わせた2系列化など,今後の設備形成に反映すべき点,変換器の点検項目など保守上の留意点について整理するとともに,パワー半導体素子の経年特性評価,ディジタル技術による保全高度化の現状を取り纏めた。


なお,CD-ROMには書籍内容に加えて付録が収録されています。
付録の内容は目次をご覧ください。

発刊予定:5月

《ご注意》
■CD-ROM動作環境
対応OS:Windows10/11(各64bit版)
※Macでは利用できません。
※WindowsXP/Visat/7/8/10(32)でも閲覧できますがサポート対象外になります。
トラブルの場合は対応OSをご利用下さい。
テキスト価格 会員(CD付)7,150円 非会員(CD付)14,300円
会員(CD無)6,050円 非会員(CD無)12,100円
発刊:令和7年

予約受付中(申込締切:2025/04/11)

報告書の利用範囲について
当研究会で取得した書籍やコンテンツの一部または全部を無断で複写、複製・翻訳及び磁気または光記録媒体への入力等は、法律で認められた場合を除き、著作権者の権利侵害になりますので、これらの必要がある場合は、予め当研究会へご照会ください。
また、取得した電子版(PDF)のコンテンツは個人向けのサービスであり、サーバーあるいは個人の記録装置に置き、複数で共有する等の利用を禁じます。