社会情勢が安定成長期から低成長期へ移行し,電力システム改革が進む中,高経年化していく送配電設備の信頼度を維持するためには,より一層の保全技術の高度化を図る必要がある。送配電設備の保全に対するICT・AI・IoT などの新技術の導入に関する社会的要請が高まってきていることから,今後も新技術の導入が継続するものと考えられる。
また,新たな託送料金制度において,一般送配電事業者は国が策定する指針に基づいて一定期間ごとに達成すべき目標を明確にした事業計画の作成が必要である。高経年化設備への対応としては,電力広域的運営推進機関にて策定した「高経年化設備更新ガイドライン」に基づく,アセットマネジメントによって合理的な設備更新を図る必要がある。
本研究では,これまでの電気協同研究第67巻第1号「地中送電設備の劣化診断技術とアセットマネジメント」(2011年発刊),第70巻第1号「地中送電ケーブルの保全技術」(2014年発刊)などにおいて整理された保全技術およびアセットマネジメントに関する内容を参考に,保全技術のさらなる高度化を目指して,保全技術の実態について調査するとともに,新技術を活用した保全業務に関する検討を行った。
また,国内外のアセットマネジメントに関する文献を幅広く調査し,地中送電ケーブルにおける故障確率や故障影響度の考え方を整理するとともに,設備投資の最適化を図るためのアセットマネジメントモデルの考え方を検討し,今後の課題を示した。
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