【概要】
近年,電気事業を取り巻く環境が大きく変化する中,高経年設備の改修工事が増加する傾向にある。こうした背景の下,安価でかつ供給信頼度と公衆保安を確保するための合理的な設計が求めら
れている。
これまで,地中送電設備のケーブル設計に関して,電協研第53巻第3号「地中送電線の送電容量設計」や電協研第61巻第1号「CVケーブル線路における工事技術の現状と今後の展望」などで報告さ
れているが,これらの報告以降,特に合理的な設計に関し,新たな知見が継続的に蓄積されている。また,ケーブル架台など付属的な設備の設計に関してはこれまでの報告書ではまとめられていないものも多い。
そこで,本報告書では,これまでの報告の内容や新たな知見を整理し,CVケーブル設備の設計技術全般を体系的に取りまとめた。
・2013年度末時点での国内電力会社の地中送電設備量および絶縁破壊発生状況について調査を行い, その結果を整理するとともに,絶縁破壊には至らなかった不具合に対し,設計を見直した事例につ いて取りまとめた。
・CVケーブル設備の設計技術に関して,過去の電協研報告書および関連出版物の内容を整理し,新 たな知見を加え,設計項目ごとに取りまとめた。
・過去の電協研報告書および関連出版物に網羅されていない設計項目として,架台設計および防災設 計について新たに取りまとめた。
・理解の一助となるよう,設計事例や計算事例を示した。