要旨
本報告書は,6つの章により構成されており,配電自動化システムの高度化について記載している。 第1章では,本委員会の設置目的と各章における調査や検証結果の概要をまとめた。
第2章では,国内の電力会社における配電自動化システムの導入経緯や,現行システムの機能,構成機器および伝送技術のほか,海外諸国のシステムや関連規格について調査し,配電自動化システムの現状や課題を整理した。
第3章では,国内での分散型電源の連系状況について調査した上で,電圧監視・制御や負荷監視(実負荷推定)手法といった電力品質に関するシステム機能の高度化について検証した。
第4章では,国内での配電線事故の原因となった機材の傾向等について調査した上で,事故検出,事故点標定,原因推定,および断線対応手法といった供給信頼度に関するシステム機能の高度化について検証し,各手法を評価した。
第5章では,第2章から第4章での調査や検証,評価結果を踏まえ,将来の配電自動化技術の概要やこれを実現するための各種要件について整理した。第6章では,本研究成果のまとめや今後の展望について記載した。