本報告は、昨年10月22日に、パワーポイント図表150点以上を用いて2時間にわたり標記テーマで行われた研究討論会の内容をとりまとめたものです。電気事業の歴史を知るための基本資料として、また、研修用の資料としてのご活用が期待できる一冊となっています。さらに、可視化と説明責任がなぜ求められるか、技術的アプローチのみならず制度設計がなぜ重要か等自由化の本質との関係を踏まえた理解を深めるための一助となる報告書となっています。
研究討論会では、第一部の講演で、75年間の調査研究について設備分野別(水力発電・変電、架空送電・地中送電、配電、系統運用・電子通信毎)に目的別、時代背景別で整理し、ポイントを絞って報告されています。また、同様に設備別に電気事業の将来像を検討し、それを踏まえた研究の展開について「社会環境」、「人的資源」、「電気事業固有の環境変化」の3つの観点で整理され取りまとめられています。
第二部のパネルディスカッションでは、「日本の電力システムの将来展望」をテーマに、電気事業の将来像を見据えた課題認識について、スマートグリッドと電力自由化の関係や完全自由化(法的分離)後の研究・技術開発、少子高齢化・高経年化等の側面から深掘りした議論が展開され、将来の課題に対する認識が深められています。