電気協同研究第37巻第6号「水力発電所現場試験指針」は,新設される揚水発電所における現場試験を対象とした指針として昭和57年に発刊され,多くの揚水発電所の竣工試験で活用されてきました。本指針は発刊から30年近く経過し,その間に電力各社では新技術導入などに伴い試験項目・要領を見直し,また一般水力発電所の新設・オーバーホールの試験にまで適用範囲を拡大してきました。
さらに,近年,電力各社では発電所の保全においてCBMを導入し,外部診断のための初期データ取得を目的とした測定項目を試験に追加するなど,各試験の測定項目も変化しております。
このような背景から,電気協同研究会は「水力発電所機器専門委員会(水力発電所現場試験指針)」を設置し,約3年間にわたり同指針の改定を進めて参りました。
本書は,その成果としてとりまとめた「水力発電所現場試験指針」(改訂版)であり,適用範囲を揚水発電所および1,000kW以上の一般水力発電所の新設・オーバーホールにおける現場試験として,幅広く活用できるようにしました。また,無水試験で実施する試験項目と有水試験で実施する試験項目を整理すると共に,それぞれの試験項目を“実施すべき項目”,“実施が望ましい項目”,“省略してもよい項目”に整理しました。
各試験項目は,目的,要領(手順・注意事項・試験機材など),判定指針,記録様式として取りまとめられており,電力会社や公営電気事業者の水力部門の関係者の方々をはじめ,電気技術者や電気技術者を目指す方々にまで広くご活用いただけるものと確信しております。
多くの皆様からのお申し込みをお待ちしております。