高経年期を迎える電力流通設備の円滑な取替えに備えて ~高度成長期に建設された設備のアセットマネジメント~ 開催要旨 社会インフラ設備の建設、蓄積は長い期間にわたって行われますが、社会経済が急速に発展すると、その時期に集中的に資本投下がなされることにより、同年代に建設された設備が大量にストックされることになります。米国においては、かつて大量にストックされた道路、橋梁の補修を怠ったために設備が荒廃し、社会安全や経済への影響などが発生して社会問題化した経験があり、最近に至っても車両通行中の橋梁が壊れ、大きな災害になったことが記憶に新しい事実となっております。 我が国の電力流通設備について顧みても、日本経済の高度成長期には大量の設備が建設されました。この時期に建設された設備は、同時代とそれ以降の長い期間にわたる電気の安定供給に重要な役割を担ってきましたが、一方で、この設備も高経年期となる時代を迎え始めるに至っております。 これらの設備は、今後も電気のさらなる安定供給のために重要な基盤設備としての役割を担ってもらう必要がありますが、その適切な維持には、設備更新を含む的確な設備管理が必要不可欠です。 今回の討論会では、今後着実に、しかも関係者が総力を挙げて取り組まねばならないこの管理の問題に関連して、・社会基盤設備としての電力流通設備に対するアセットマネジメントの必要性、・電力流通設備の種別ごとの経年影響・部品の廃形への対応・設備更新に際しての発生工事量とこれを平準化して実施するための現状や具体的方策、・設備更新のための投資のあり方、さらには・他事業分野での事例等について討論し、関係者におけるより深く、かつ幅広い問題意識の共有化を図ることに資することを目標としました。