変電設備仕様の国際化 概要 近年の経済のグローバル化においては、各分野の戦略的な標準化が重要視されている。電力会社が設置している主要な設備は、そのほとんどがJECに基づいて製作されたものである。JECにおいては、その改訂の都度、国際規格との整合について検討が行われるとともに、可能な限り整合が図られている。 その一方で、設計手法が異なるため、海外への説明が技術的に容易でないと考えられるのは「自然環境により決定される仕様」と述べられている。これらについては、わが国が高い水準で維持している供給信頼度を下げるような整合化は行うべきではなく、重要なのは日本固有の事情と規格の妥当性をいかに海外に向かって説明できるかである、と提言されている。 そこで、本研究では、変電設備における耐震仕様および耐塩仕様を中心に、国内外の規格などで要求される仕様について整理し、国内仕様の妥当性についてまとめた。さらに、国内外の設計手法を適用した場合の事例について比較し、その違いを定量的に示した。 今回の研究結果から、一部の条件を考慮することで海外の設計手法が適用できる可能性が明らかになった。