電力系統監視制御システムの保守効率化 概要 電力系統監視制御システムは社会のインフラを担う重要システムであり、公衆保安および電力の安定供給のために、高信頼度を維持しなくてはならない。そのためには、様々なリソース(人、物、金などの資源)を確保して、適切な保守活動を行っていくことが不可欠である。 本報告書では、これらのリソースや活動全般に対する更なる効率化を目的とし、その実態と効率化策についての検討および分析結果を以下のように取りまとめた。 はじめに、第2章では、電力系統監視制御システムの実態を明らかにするため、設備概要の調査結果、採用されている構成品の変遷と特徴、および次期システムの構成品の採用理由などについて取りまとめた。 第3章では、保守の実態として、電力会社が現状行っている保守業務のうち、巡視、点検、定期交換、障害対応、保守契約などの目的、背景およびその実施状況を取りまとめた。 第4章では、第3章でまとめた保守の実態についての調査結果を踏まえて、巡視・点検、障害対応についての効率化策、開発時に配慮しておくべき効率化策、システムのライフサイクルを考慮した保守の効率化策、およびソフトウェア保守についての実態と効率化策などについて、分析・検討した結果をまとめた。また、保守を行う上で必要となる技術力に対する保守技術力維持方策についてもまとめた。 最後に、第5章では、今後の課題として、本研究の検討において明らかになった課題のうち、特に、重要で解決できなかった問題である障害データの収集・管理方法、および保守部品の確保とシステムの延命策について取りあげた。