配電系統における電力品質の現状と対応技術 要約 本レポートは、6つの章によって、配電系統における電力品質について記載している。第1章では、本調査委員会の目的と調査結果概要をまとめた。第2章では、電磁両立性(EMC)の意味と考え方について説明するとともに、電力関係分野における技術者の参考資料とするため、電気・電子機器や電力会社で使用されている電力品質関連規格の一覧表を記載した。日本の配電系統における電力品質の現状の調査結果については、第3章で分析した。調査は、2003年6月から2004年3月まで全国の102サイトで実施されたもので、供給電圧、電圧ディップ・スウェル、フリッカ、電圧不平衡、高調波、次数間高調波を測定した。測定したデータは、統計的な手法を用いて分析した。第4章では、電力品質に関連した障害事例を紹介している。また、ここでは、電気機器の耐量向上手法についても紹介している。第5章では、電力会社で行われている電力品質に関する考え方と計算方法を紹介した。また、電力系統側ならびに需要家設備側で使用されている電力品質制御機器についても紹介した。本報告書の望ましい活用方法は第6章で提案した。また、電力品質に関する予測や、将来の電力品質測定の提案についても報告した。