概要:
(開催の要旨)
電気は貯蔵できない商材であり、発電量と使用量を常に一致させて系統周波数を維持する必要があることを前提に、電源と需要の規模・立地に応じた電力系統が形成され、運用されてきた。
近年、再生可能エネルギーが急速に普及していく中、太陽光発電や風力発電といった自然由来の発電方式では、特に昼間の余剰電力の課題が顕在化しており、「蓄電」はその課題解決の有力な技術領域として、注目を集めている。また国外においても、欧米諸国を中心に蓄電池向けの政策が導入されるなど、「蓄電」への期待が高まっている。
蓄電技術の活用においては、蓄電池の大容量化・小型化を背景に、ハイブリッドカーに代表される蓄電池搭載自動車や電気自動車(EV)が普及しつつある。また、水素エネルギー利用拡大の研究も進められているが、電気により水素を生成し、水素を燃料として発電する形態などは一種の蓄電技術と見なすことができる。これら蓄電技術の進歩により、系統に接続する複数の蓄電池を統合制御し、1つの発電所のように機能させるバーチャルパワープラント(VPP)など、新たな技術への発展が期待されており、様々な活用研究が進められている。
蓄電技術の発展は、充電ステーションや水素生成施設の普及による電力需要喚起につながる可能性がある一方、電力の地産地消を促進し電力系統利用率を低下させる要因にもなり得る。そこで、蓄電技術の最新動向について紹介するとともに、電力事業への影響と求められる対応について展望し、意見交換を行う。
(プログラム)
Ⅰ開会挨拶 (13:00~13:20)
○主催者挨拶 :一般社団法人 電気協同研究会 会長 薦田 康久
○来賓挨拶 :経済産業省 商務情報政策局 産業保安グループ 電力安全課(予定)
Ⅱ講演:蓄電・水素技術と電気事業~蓄電技術の動向と電力系統・需給への影響~ (13:20~15:50)
司会:石亀 篤司 氏(大阪府立大学 教授)
講演題目・講演予定者
1.基調講演
題目「低炭素社会に向けた蓄電技術への期待と課題」 (13:20~13:50)
講演者:池谷 知彦 氏((一財)電力中央研究所 材料科学研究所 研究参事 工学博士)
2.講演
(1)電力系統用蓄電池の技術動向と将来展望 (13:50~14:20)
講演者:小林 武則 氏(東芝エネルギーシステムズ(株)電力流通システム事業部
電力IoTプロジェクトチーム 主幹)
(2)蓄電から見たEVの技術動向と将来展望 (14:20~14:50)
講演者:人見 義明 氏((一財)日本自動車研究所 電動モビリティ研究部 主管)
(3)水素エネルギーの将来展望と課題 (14:50~15:20)
講演者:塩沢 文朗 氏(住友化学(株) 主幹)
(4)蓄電技術の発展と普及に伴う電力系統の課題 (15:20~15:50)
講演者:松浦 康雄 氏(関西電力(株) 送配電カンパニー 企画部 部長)
○休憩(次プログラムへの移行準備時間を含む) (15:50~16:00)
Ⅲパネルディスカッション (16:00~16:50)
テーマ:蓄電技術の発展を踏まえた電力系統の将来展望
コーディネーター:石亀 篤司 氏
Ⅳ質疑応答 (16:50~17:00)